《ちょっと賢くなれる雑学 TOP

 雑学講座 月下氷人とは?
別冊漢字館を解いていると「月下氷人」という熟語に出会うことがあると思います。ベテランの皆さんなら、この意味が「仲人」のことだとすぐにわかりますね。ではもう一歩踏み込んで、なぜ仲人のことを「月下氷人」というのでしょうか?
これは「月下老人」と「氷人」という中国の二つの故事の結合の結果なのです。

【月下老人】

諸説あるのですが、唐の時代韋固(いご)という青年が旅の途中で、月明かりの下、老人が不思議な文字で書かれた書物を調べているのに出会うというところまでは同じです。

韋固「もし、それは何の書物ですか?」
老人「これには世の結婚のことがすべて記してあるのだ」
韋固「ならば私のことも書いてあるはず。是非教えてください」
   独身の韋固は将来の妻のことを知りたかったのです。
老人「そちの妻は、野菜売りをしている貧しい老婆に育てられている、まだ三歳の娘だ」
韋固「この私の妻となるものが貧しい娘のはずがない。 えーい、そやつを探し出して殺せ」

韋固は下男に娘を殺すよう命じましたが、眉間に傷をつけただけで娘は助かりました。
その十四年後、官吏となった韋固は知事の娘と結婚をしました。 ところが妻の額には傷がありました。なんと韋固が殺そうとした娘だったのです。老婆が亡くなった後、娘は知事の養女となっていたのです。それを知った韋固は、すべてを妻に打ち明け、それから後は、仲睦まじく暮らしました。

もう一説は、老人が「袋の中にある赤い綱で男女の足をつなげば夫婦の縁が結ばれる」と言ったところから、「結婚する運命の男女は小指を赤い糸で結ばれている」という伝説の由来にもなったとされています。

月下老人はこのような故事により、縁結びの神、仲人として使われるようになりました。



【氷人】

晋の時代に令狐策(れいこさく)という老人がいました。
ある日彼は、氷の上に立ち、その氷の下にいる人と話す夢をみました。この夢を占い師に見てもらうと、「氷の下は陰(女)、氷の上は陽(男)、陰と陽が話し合ったのだから、氷が溶けるころに、あなたは結婚の仲立ちをするだろう」と言われました。
策は、自分はもう年老いているのでそんなことはできないと思いました。
しかしその翌日に土地の有力者から「息子の結婚の仲立ちをしてほしい」と頼まれ、その結婚がうまくいったため「氷人」は仲人を意味する言葉となりました。

「月下氷人」はこの2つの言葉からの造語です。
別冊漢字館Vol.18 掲載